CO2レーザー
(シーオーツーレーザー)
CO2 Laser
二酸化炭素ガスを媒質とする波長10,600nmのレーザー。水分に強く吸収され組織を瞬時に蒸散させる。ホクロ・イボの除去から、フラクショナル仕様による肌再生まで幅広く活用される。
CO2レーザーとは
CO2レーザー(炭酸ガスレーザー/Carbon Dioxide Laser)は、二酸化炭素ガスを媒質として発振するレーザーで、波長は10,600nm(遠赤外線領域)。美容医療・皮膚科で最も古くから使われているレーザーのひとつで、世界中のクリニックに導入されている定番機器です。
波長10,600nmは水分に強く吸収される性質を持ち、肌の細胞内の水分を瞬時に気化させて組織を蒸散させます。この特性を活かし、ホクロ・イボの除去から、フラクショナル仕様による肌の総合的な若返り治療まで、幅広い用途で使われています。
作用機序
CO2レーザーの作用は、波長10,600nmが水分(H2O)に対して非常に高い吸収係数を持つことに由来します。皮膚の細胞は約70%が水分のため、レーザーを照射するとエネルギーが瞬時に水分に吸収され、細胞内の温度が100℃を超えて沸騰・気化します。これにより組織が蒸散(アブレーション)し、目的の部位を精密に除去できます。
同時に、蒸散層の周囲には熱凝固ゾーンが形成され、止血効果と創傷治癒の促進、コラーゲン産生の誘導が起こります。この特性を利用したのがフラクショナルレーザーのCO2タイプ(CO2フラクショナル)です。
主な用途
- ホクロ・イボの除去:盛り上がったホクロや脂漏性角化症(老人性イボ)を蒸散
- 稗粒腫(ひりゅうしゅ)・汗管腫の除去:目元の白い小さなブツブツを除去
- フラクショナル照射:ニキビ跡・毛穴・小じわの総合改善
- 表皮母斑・脂腺母斑の除去:先天性の皮膚病変
- 軟性線維腫(アクロコルドン)の除去:首・脇のスキンタッグ
特にホクロ・イボの除去では、5分程度の短時間で完了し、出血も少なく仕上がりが綺麗なため、保険外の美容皮膚科で最も多く実施される処置のひとつです。
期待される効果
- ホクロ・イボの除去(多くは1回で完了)
- ニキビ跡・クレーターの改善(フラクショナル仕様)
- 毛穴の縮小・引き締め
- 小じわ・肌のハリの改善
- 傷跡・凹凸の修正
他治療との比較
- CO2レーザー:水分吸収型/蒸散と凝固を両立/用途が広い
- Erbium YAGレーザー:水分吸収はCO2の10倍以上/浅い蒸散/ダウンタイム短め
- ピコレーザー:色素破壊型/シミ・タトゥー除去に強い
- 電気メス・高周波メス:熱で組織を切除/コスパ良いが仕上がりはレーザーより劣ることも
施術の流れ(ホクロ除去の場合)
リスク・副作用・ダウンタイム
- 赤み・凹み:施術後1〜3ヶ月で目立たなくなることが多いが、完全に肌色に戻るには6ヶ月〜1年
- 炎症後色素沈着:日本人で起こりやすい/日焼け対策が必須
- 瘢痕形成:深く照射した場合、稀にケロイド・肥厚性瘢痕
- 感染:施術後の創部管理を怠ると細菌感染のリスク
- 再発:ホクロが深い場合、根が残り再発することがある
- 毛包破壊:眉毛・鼻周囲の照射では、毛が生えなくなる可能性
特に日本人を含むアジア人の肌では炎症後色素沈着(PIH)が起こりやすく、施術後3〜6ヶ月の徹底した紫外線対策が結果を大きく左右します。
費用相場
- ホクロ除去(1個・小サイズ):5,000〜10,000円
- ホクロ除去(大サイズ・複数):1〜3万円
- イボ・脂漏性角化症除去:3,000〜5,000円/1個
- 稗粒腫除去:5,000〜10,000円/複数個
- CO2フラクショナル:5万〜15万円/1回
CO2レーザーが向いている人・向いていない人
向いている人:盛り上がったホクロ・イボを除去したい/脂漏性角化症が増えてきた/メスで切らずに除去したい/短時間で済ませたい/フラクショナル仕様でニキビ跡を改善したい
向いていない人:悪性の疑いがあるホクロ(病理検査が必要)/妊娠中・授乳中/日焼けしている肌/ケロイド体質/施術後の紫外線対策が難しい
CO2レーザーは美容医療で最も歴史と実績のあるレーザーですが、扱う医師の技術と経験で結果が大きく変わります。CO2レーザーの取り扱い経験が豊富な医師のもとで、ホクロ・イボの良性確認、肌質と日焼け状態のチェック、施術後のケア指導まで丁寧に説明を受け、納得した上で施術を受けることが、安全で満足のいく結果につながります。