扁平母斑
(ヘンペイボハン)

Nevus Spilus

平らで茶色い母斑(あざ)の総称。生下時または乳児期からあるものが多く、内部に小さな黒っぽい点状の母斑(spotted)を含むタイプもある。Qスイッチルビーレーザーの保険適応となる。

扁平母斑とは

扁平母斑(Nevus Spilus)は、平らで茶色い母斑(あざ)の総称です。生下時または乳児期から出現することが多く、サイズ・形態は多様。「Spotted nevus spilus」と呼ばれるタイプは、淡褐色の地色の中に小さな黒っぽい点状母斑が散在する独特な外見が特徴です。

原因は表皮基底層と一部真皮浅層のメラノサイトのメラニン量増加。日本ではQスイッチルビーレーザーが保険適応で、カフェオレ斑太田母斑と並ぶ代表的なあざ性疾患です。

特徴と分類

  • 淡褐色〜中等度褐色の平坦病変
  • 境界明瞭:周囲皮膚との区別がはっきり
  • Spotted型:内部に黒い点状母斑を含む
  • 非Spotted型:均一な色調の平坦斑
  • 好発部位:体幹・四肢が多い
  • サイズ:数cm〜10cm以上の大型まで

治療の選択肢

治療経過と再発

レーザー治療は3ヶ月以上の間隔で複数回照射が必要です。1回で十分な薄化が得られることは少なく、5〜10回程度の照射で大幅な薄化を目指します。カフェオレ斑同様に再発例もあり、長期経過観察が大切です。

  • 10〜14日:かさぶたが脱落
  • 1〜3ヶ月:1回ごとの薄化評価
  • 5〜10回:複数回治療で薄化
  • 長期:再発の有無を観察

リスク・注意点

  • 炎症後色素沈着(PIH):レーザー後の暗色化
  • 白斑:過剰照射での色素脱失
  • 複数回治療の必要性:時間・コスト負担
  • 再発例:完全消失が困難な症例
  • Spotted型の点状成分:稀に悪性化リスクが議論される
  • 悪性疾患との鑑別:境界不整・色調変化があれば要注意

費用相場

保険適応の場合、1回数千〜2万円(3割負担、サイズで変動)。総額は治療回数次第で数万〜十数万円程度。自費のピコレーザー併用は別途加算が一般的です。

クリニック選びでは、保険診療としての扁平母斑治療を扱う皮膚科専門医の在籍を確認しましょう。長期治療になるためアクセスのしやすさも重要な判断材料です。

治療を検討すべき人・経過観察でよい人

治療を検討すべき人:露出部にあって目立つ/本人がコンプレックスを感じる/早期治療反応の良い小児期。Spotted型は皮膚科の経過観察も並走させます。

経過観察でよい場合:露出部以外で目立たない/本人が気にならない場合は経過観察で構いません。色調変化や境界不整があれば早期受診を。

扁平母斑は保険適応で治療可能なあざ性疾患ですが、複数回治療と再発リスクを織り込んだ計画が大切です。皮膚科または美容皮膚科の経験豊富な医師のもとで治療計画を相談したうえで判断することをおすすめします。

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