炎症後色素沈着(PIH)治療
(エンショウゴシキソチンチャクチリョウ)
PIH Treatment
炎症(ニキビ・虫刺され・湿疹・レーザー後)の後にメラニンが沈着して残る色素沈着への治療。外用薬・内服・レーザートーニング・ピーリング・ハイドロキノンを組み合わせ、紫外線対策を並走させる。
炎症後色素沈着(PIH)治療とは
炎症後色素沈着(Post-Inflammatory Hyperpigmentation:PIH)は、炎症が起きた皮膚にメラニンが残ってできる茶色〜灰褐色のシミです。原因はニキビ・虫刺され・湿疹・摩擦・レーザー治療後など多様で、特に色黒〜中等度肌の方で起こりやすい傾向があります。
治療は外用薬(ハイドロキノン・トレチノイン)・内服(トラネキサム酸・ビタミンC)・レーザートーニング・イオン導入・ピーリングを組み合わせ、紫外線対策を並走させるのが基本です。
PIHの特徴
治療の選択肢
- ハイドロキノン外用:チロシナーゼ阻害でメラニン抑制
- トレチノイン外用:表皮ターンオーバー促進
- トラネキサム酸内服:メラノサイト活性抑制
- ビタミンC内服・外用:抗酸化・美白
- レーザートーニング:低出力で慎重照射
- ケミカルピーリング:表皮の入れ替え促進
治療の進め方
原因疾患(ニキビ・湿疹など)の炎症コントロールが先決です。炎症が落ち着いてから外用・内服を導入し、3〜6ヶ月の経過観察。改善が乏しい場合にレーザートーニング・ピーリングを追加します。紫外線対策がなければ治療効果は限定的です。
- 炎症コントロール:原因治療(ニキビなど)
- 外用1〜3ヶ月:軽度の薄化
- 内服併用3〜6ヶ月:効果評価
- レーザー追加:難治例で慎重照射
- 長期:紫外線対策の継続
リスク・注意点
- 紫外線対策不十分での悪化:日焼け止め必須
- レーザー過剰照射での再増悪:低出力管理
- 原因疾患の再発:ニキビなどが繰り返すと色素沈着もループ
- 効果の個人差:体質・色素の深さで結果が変わる
- ハイドロキノンの白抜け:長期使用での色素脱失
- トレチノインのA反応:赤み・皮むけ・乾燥
費用相場
外用薬は月3,000〜10,000円。内服は月3,000〜8,000円。レーザートーニングは1回1〜2万円。トータルで月5,000〜30,000円程度の継続コストが現実的です。
治療を検討すべき人・経過観察でよい人
治療を検討すべき人:ニキビ跡の色素沈着が長引く/レーザー後のPIHが消えない/繰り返す虫刺され跡が気になる方。
経過観察でよい場合:軽度で時間とともに薄化傾向/紫外線対策と外用で対応中の方は3〜6ヶ月の経過観察で構いません。色素沈着の前提となる炎症(ニキビなど)の制御が優先です。
PIHは時間とともに薄化することも多い症状ですが、紫外線対策と原因コントロールが治療成功の鍵です。皮膚科または美容皮膚科の経験豊富な医師のもとで原因の鑑別と治療計画を相談したうえで判断することをおすすめします。