後天性真皮メラノサイトーシス(ホリ母斑/ADM)
(ホリボハン)

Hori's Nevus / ADM

30〜40代の女性に好発する両側性の灰青色〜灰褐色のシミ。真皮内のメラノサイトが原因で、肝斑・老人性色素斑との混在が多い。Qスイッチルビーレーザーが標準治療で複数回照射が必要。

後天性真皮メラノサイトーシス(ホリ母斑/ADM)とは

後天性真皮メラノサイトーシス(Acquired Dermal Melanocytosis:ADM)は、30〜40代の女性に好発する両側性の灰青色〜灰褐色のシミです。1984年にHoriらによって報告されたため「ホリ母斑」とも呼ばれます。

原因は真皮浅〜中層のメラノサイトで、太田母斑に類似する真皮病変ですが、出現年齢と両側性が特徴。肝斑老人性色素斑との混在が多く、診断・治療設計に皮膚科医の経験が必要です。

特徴と鑑別

  • 30〜40代女性に好発
  • 両側性(顔の左右)太田母斑との違い
  • 頬・額・こめかみ:好発部位
  • 灰青色〜灰褐色:チンダル現象
  • 肝斑との混在:診断が困難
  • 老人性色素斑との重なり:複合治療が必要

治療の選択肢

治療経過

レーザー治療は3ヶ月以上の間隔で5〜10回の照射が必要です。1回ごとに10〜30%程度の薄化が目安で、長期計画が前提。肝斑が混在する場合は先にトーニング・内服で肝斑を制御してからADMにスポット照射する流れが一般的です。

  • 10〜14日:かさぶた脱落
  • 1〜3ヶ月:1回の効果評価
  • 5〜10回:明確な薄化のピーク
  • 長期紫外線対策で再発予防

リスク・注意点

  • 炎症後色素沈着(PIH):レーザー後の暗色化
  • 肝斑との誤診:通常モード照射で肝斑悪化
  • 複数回照射の必要性:時間・コスト負担
  • 再発例紫外線対策不足で再出現
  • カウンセリング段階の鑑別重要性
  • 白斑(色素脱失):過剰照射のリスク

費用相場

1回数千〜2万円、総額は治療回数次第で数万〜十数万円。自費治療が中心で、肝斑混在治療を並走させると別途加算されます。クリニック選びでは皮膚科専門医の在籍と肝斑との鑑別経験を事前に確認しましょう。

治療を検討すべき人・経過観察でよい人

治療を検討すべき人:頬・額の両側に灰青色のシミが出現/30〜40代で新しいシミに気づいた/肝斑治療をしても薄くならない部分が残る方。

経過観察でよい場合:目立たない/ホルモン変動の影響を見極めるため数ヶ月の経過観察も選択肢です。妊娠中は治療を見送り、卒乳後に再評価が現実的です。

ADM(ホリ母斑)は肝斑との鑑別と治療順序が重要な疾患です。皮膚科または美容皮膚科の経験豊富な医師のもとで肌診断と複合治療計画を相談したうえで判断することをおすすめします。

用語を検索