肋軟骨移植
(ロクナンコツイショク)

Costal Cartilage Graft

肋骨の軟骨を採取して鼻に移植する手術。強度が高く、大幅な鼻中隔延長や再手術に用いられる。

肋軟骨移植とは

肋軟骨移植は、胸の肋骨につながる軟骨(肋軟骨)を採取し、鼻の支柱や土台として移植する手術です。強度が高いため、大幅な鼻中隔延長術や、組織が不足した再手術(修正手術)で選ばれます。

耳介軟骨では足りない大きな変化や、しっかりした支柱が必要なケースに適しますが、胸に傷が残り侵襲が大きい点に留意が必要です。

作用機序

胸の下部を数センチ切開し、肋軟骨を必要量採取します。採取した軟骨を細工して、鼻中隔の延長や鼻背・鼻先の土台として移植・固定します。

肋軟骨は強度に優れる一方、時間の経過で反り(湾曲)が生じることがあります。これを抑えるため、軟骨の芯の部分を使う・細かく刻んで使うなどの工夫が行われます。

期待される効果

  • 大幅な鼻先の延長・突出
  • 強固な支柱(土台)の形成
  • 自家組織の不足を補える
  • 再手術・難症例への対応
  • 鼻全体の骨格的な作り直し
  • 長期的に安定した支え

術式・施術の選択肢

  • 支柱(ストラット)移植:鼻先の土台に
  • 鼻背オンレイ:鼻筋の高さに
  • ダイスドカルティレージ:刻んで滑らかに
  • 鼻中隔延長の補強:大幅延長に

施術の流れ

  • カウンセリング・全身状態の確認
  • 全身麻酔
  • 肋軟骨採取(胸部・30〜60分)
  • 鼻の手術・軟骨移植(120〜240分)
  • 縫合・固定、抜糸・ギプス除去は約1週間後

リスク・副作用・ダウンタイム

  • 移植軟骨の湾曲・反り
  • 軟骨の吸収
  • 胸の傷あと・痛み
  • 気胸(まれ)
  • 鼻先の左右差・偏位
  • 感染
  • 修正の難しさ

耳介軟骨移植との違い

同じ自家軟骨移植でも、採取部位で強度・侵襲・適応が異なります。

  • 肋軟骨:強度大/大幅延長・再手術向け/胸に傷・侵襲大
  • 耳介軟骨:侵襲小/小〜中程度の補強向け

大きな延長や強い支柱、組織が不足した修正では肋軟骨、軽度〜中程度の補強では耳介軟骨が選ばれる傾向があります。

こんな方に向いている施術

  • 大幅な鼻中隔延長を希望する方
  • 鼻の再手術(修正)で組織が不足している方
  • 強固な支柱が必要な難症例の方
  • 耳・鼻中隔の軟骨だけでは足りない方
  • 骨格レベルで鼻を作り直したい方

ただし、これらに当てはまる場合でも、最終的な適応判断は医師の診察を経て行われます。自己判断ではなく、専門医のカウンセリングで自身に適しているかを確認することが重要です。

経験豊富な医師に相談を

肋軟骨移植は、侵襲が大きく、採取と移植の両方に高い技術を要する術式です。肋軟骨移植の経験が豊富な形成外科専門医のもとで、リスクと侵襲を十分に理解したうえで検討することが大切です。施術の適応・術式・リスクは一人ひとりの状態で異なります。カウンセリングで自分の状態・希望・ダウンタイムの許容度まで含めて十分に相談したうえで判断することが、納得のいく結果につながります。

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