霰粒腫
(サンリュウシュ)
Chalazion
霰粒腫とは、まぶたの内側にあるマイボーム腺が詰まり、分泌物がたまってしこり状になる良性の腫瘤です。痛みを伴わないことが多く、自然に小さくなる場合もありますが、大きくなると切開や注射による治療が検討されます。
霰粒腫とは
霰粒腫とは、まぶたの内側にあるマイボーム腺という脂を分泌する腺が詰まり、分泌物がたまってしこり状になる良性の腫瘤です。読み方は「さんりゅうしゅ」で、英語ではChalazionと表記されます。痛みや赤みを伴わないことが多く、まぶたにコロコロとしたしこりを感じるのが特徴です。細菌感染を主体とする「ものもらい(麦粒腫)」とは異なり、慢性的な炎症によって生じます。小さいものは自然に吸収されることもありますが、大きくなったり長期間残ったりする場合は、美容皮膚科や眼科での治療が検討されます。見た目やまぶたの違和感が気になる方からの相談が多い症状です。
期待される効果
霰粒腫の治療では、しこりや見た目に関して次のような変化が期待されます。効果には個人差があります。
- まぶたにできたしこりの縮小が期待されます
- 盛り上がった部分が目立ちにくくなり、見た目の改善が期待されます
- まぶたのコロコロとした違和感の軽減が期待されます
- まばたきや視界への影響がやわらぐことが期待されます
- 慢性的な炎症の落ち着きが期待されます
施術の流れ
はじめにカウンセリングと診察を行い、しこりの大きさや状態、炎症の有無を確認します。治療方針は大きく分けて、ステロイドなどの注射による方法と、切開して内容物を摘出する方法があります。注射の場合は、しこりに薬剤を注入して炎症をしずめ、自然な吸収を促していきます。切開の場合は、局所麻酔を行ったうえでまぶたの内側または外側を小さく切開し、たまった内容物を取り除きます。所要時間は数十分程度が目安で、状態によって複数回の通院が必要になることもあります。施術後は止血や経過の確認を行い、自宅でのケアについて説明を受けて終了となります。
施術後のケアと効果実感の目安
施術後は、患部を清潔に保ち、こすったり強く触れたりしないよう注意します。処方された点眼薬や軟膏がある場合は、指示に沿って使用します。効果の実感には個人差がありますが、目安は次のとおりです。
- 当日〜数日:腫れや内出血が出ることがあり、徐々に落ち着いていきます
- 1週間前後:切開部の傷が安定し、しこりの縮小を感じ始める方もいます
- 数週間〜数か月:注射による治療では、時間をかけて少しずつ吸収が進む傾向です
霰粒腫は体質によって再発することがあるため、再び気になる症状が出た場合は早めに受診するとよいでしょう。日頃からまぶたを温めたり清潔に保ったりするセルフケアが、再発予防の一助になると考えられています。経過に不安がある場合は自己判断せず、医療機関で相談することをおすすめします。
リスク・副作用
霰粒腫の治療には、次のようなリスクや副作用が生じる可能性があります。事前に内容を理解しておくとよいでしょう。
- 施術部位の腫れや赤みが一時的に出ることがあります
- 切開や注射に伴う内出血が生じる場合があります
- 治療後も再発する可能性があります
- 切開部に瘢痕(傷あと)が残ることがあります
- まれに細菌感染を起こすことがあります
- ステロイド注射では、注入部位の皮膚の色調変化や凹みが生じる場合があります
- まれにまぶたの形の変化や左右差が生じることがあります
気になる症状が長引く場合や、痛み・強い腫れが出た場合は、早めに担当の医師へ相談することをおすすめします。
費用相場
霰粒腫の治療費用は、医療機関や治療方法によって幅があります。保険診療として扱われる場合は数千円程度が目安です。自由診療や美容目的での切開・注射の場合は、5,000〜30,000円程度が一つの目安となります。複数回の通院や薬剤費が別途かかることもあります。
費用比較の留意点として、表示価格に麻酔代や薬代、再診料が含まれているかは医療機関によって異なります。料金の安さだけで判断するのではなく、診察の丁寧さや治療内容、アフターフォローの体制まで含めて総合的に検討することが大切です。事前にカウンセリングで総額の見積もりを確認しておくとよいでしょう。
向いている人・向いていない人
霰粒腫の治療を検討する際は、自分の状態が向いているかどうかを確認しておくとよいでしょう。一般的な目安は次のとおりです。
- 向いている人:まぶたのしこりが長く残っている方、見た目や違和感が気になる方
- 向いている人:自然に小さくならず、サイズが大きくなってきた方
- 向いていない人:強い炎症や感染が疑われ、まず内服や点眼での治療が必要な方
- 向いていない人:診察で別の疾患の可能性が指摘された方
- 向いていない人:体調や持病の状態によって施術が難しいと判断された方
霰粒腫は良性の症状であることが多い一方で、まれに見分けが難しい病変が隠れている場合もあります。自己判断で放置したりつぶしたりせず、まずは診察を受けることが大切です。治療方法の選択や仕上がりは医師の経験によっても左右されるため、経験豊富な医師のもとで、カウンセリングを通じて十分に相談したうえで治療方針を決めることをおすすめします。