厚労省、患者向け啓発サイト「その美容医療、ちょっと待って!」を公開─リスク説明と公的相談窓口を集約
発信元:厚生労働省
厚生労働省は2025年8月、自由診療として行われる美容医療の利用者向けに、施術前に確認すべきポイントや公的相談窓口をまとめた啓発サイト「その美容医療、ちょっと待って!」を公開した。リスクと効果のバランス、医薬品副作用被害救済制度、無資格者による施術の違法性などを整理。2025年12月にはアートメイク施術に関するページが追加され、2026年3月には動画コンテンツも公開された。
厚生労働省は2025年8月、自由診療として行われる美容医療の利用者向けに、施術を受ける前に確認すべきポイントや公的相談窓口の情報を集約した啓発ウェブサイト「その美容医療、ちょっと待って!」を公開した。同年8月の通知「美容医療に関する取扱いについて」と並行する施策として位置づけられ、利用者側からトラブルを未然に防ぐための情報基盤を整備する狙いがある。
サイト公開の背景
美容医療をめぐっては、近年、相談件数や危害事例が増加していることが厚労省「美容医療の適切な実施に関する検討会」の報告書で指摘されてきた。検討会報告書は、施策方針として「安全」と「質」の2本柱を示すとともに、利用者側への情報提供と公的相談窓口の周知を重要施策として挙げていた。
今回公開された啓発サイトは、こうした方針を具体化したもの。脱毛・脂肪吸引・しみ取り・二重まぶた手術・審美歯科などの美容医療を例に挙げ、「美容医療は医療行為であり、結果の達成を約束することはできない」「効果は必ずしも患者が期待するものとは限らない」といった、患者側が事前に理解すべき基本的な前提を明示している。
サイトで案内されている主な内容
- 効果とリスクのバランス:施術の効果だけでなく、副作用・合併症・後遺症の有無、発症確率、術中の痛みや苦痛などのリスクを理解し、納得できているかを確認する重要性
- 医薬品副作用被害救済制度:国内承認医薬品の副作用で健康被害があった場合の公的救済制度の存在。ただし用法・用量に従って使用されていない場合は救済対象外となる点も明記
- 選択肢の比較検討:医師の勧める施術が唯一の方法とは限らないため、ほかの施術方法の効果・リスク・費用・保険適用の有無を比較すべきという考え方
- 無資格者施術の違法性:医師免許を持たない者による医療脱毛やHIFU等の施術は違法行為となる旨
- 医療安全支援センター:全国の公的相談窓口の一覧
継続的な情報追加
同サイトは公開後も継続的に内容が更新されている。2025年12月には「美容所等におけるアートメイク施術について」のページが追加された。アートメイクは皮膚に色素を入れる行為であるため医行為に該当し、美容所(理容所・美容所)で行うことはできず、医師または医師の指示を受けた看護師等のみが医療機関で実施できることが整理された。
さらに2026年3月には、施術前のチェックポイントを解説する動画コンテンツが追加されている。文章だけでは伝わりにくい注意点を、視覚的にわかりやすく示す試みとなっている。
関連する公的情報源
厚労省は同サイト以外にも、美容医療に関する公的情報源を複数公開している。
- 政府広報オンライン「その美容医療、ちょっと待って!」(ラジオ番組コンテンツ、令和7年8月17日放送)
- 消費者庁「美容医療を受ける前に確認したい事項と相談窓口について」
- 厚労省「医療法における病院等の広告規制について」(医療広告ガイドライン本体)
- 各都道府県・保健所の医療広告相談窓口
これらは相互に参照しあう構成となっており、利用者が状況に応じて適切な相談窓口にたどり着けるよう設計されている。
編集部の見解
啓発サイトの公開は、行政が「医療機関への規制強化」だけでなく「利用者側の情報リテラシー底上げ」にも注力し始めたことを示すものと言える。整形ラボ編集部としても、施術検討段階で確認すべき公的情報源の一つとして、このサイトの存在を読者に伝えていきたい。クリニックの広告だけを見て決めるのではなく、公的な情報も並行して確認する姿勢が、安全な選択につながる。
※本記事は厚生労働省の公開情報に基づき編集部がまとめたものです。最新の情報は厚生労働省の啓発サイト「その美容医療、ちょっと待って!」をご確認ください。施術に関する個別の判断は、医師との十分な相談のうえで行ってください。
本記事の元情報は厚生労働省でご覧いただけます。
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