脂漏性角化症
(シロウセイカクカショウ)
Seborrheic Keratosis
加齢・紫外線・遺伝的素因で表皮細胞が増殖して盛り上がる良性腫瘍。「老人性イボ」とも呼ばれ、平らなものから明瞭に盛り上がるものまで形態は多様。CO2レーザー・電気凝固・液体窒素で除去する。
脂漏性角化症とは
脂漏性角化症(Seborrheic Keratosis)は、加齢・紫外線・遺伝的素因で表皮ケラチノサイトが増殖して盛り上がる良性腫瘍です。「老人性イボ」「年寄りイボ」とも呼ばれ、40代以降に増加し、顔・体幹・手などに多発することがあります。
形態は多様で、平らな茶色斑(早期)からドーム状に盛り上がる成熟形態まであり、進行すると黒色〜灰色になることもあります。除去にはCO2レーザー・電気凝固・液体窒素(凍結療法)が選択され、それぞれに長所・短所があります。
なぜできるのか
- 加齢によるケラチノサイト増殖:表皮の老化現象
- 紫外線曝露:日光暴露の多い部位に多発
- 遺伝的素因:家族内集積
- 炎症の遺残:刺激の多い部位に発生しやすい
- 皮膚の脂漏部位に好発:頭皮・顔・前胸部
- 突然多発する場合(Leser-Trelat徴候):内臓悪性腫瘍の合併稀有例
治療の選択肢
- CO2レーザー:精度高く出血も少ない
- 電気凝固(焼灼):数秒で処置可能
- 液体窒素(凍結療法):保険適応・コスト低
- 炭酸ガスレーザー+削皮:盛り上がりが大きい場合
- 外科的切除:大きな病変・組織検査希望時
- 外用薬(補助):ピーリング系のみで除去するのは困難
治療後のケアと経過
レーザー・電気凝固後は1〜2週間でかさぶたが脱落し、その下に新しいピンク色の皮膚が現れます。3〜6ヶ月で周囲の皮膚色に馴染むのが一般的です。炎症後色素沈着(PIH)が起こることがあり、紫外線対策と外用薬での対応が大切です。
- 1〜2週間:かさぶた脱落
- 1〜3ヶ月:赤みのピーク後に薄化
- 3〜6ヶ月:周囲との色馴染み
- 同じ場所への再発:稀
リスク・注意点
- 炎症後色素沈着:色黒の方で起こりやすい
- 瘢痕形成:深く焼くと凹凸が残る
- 出血:電気凝固・レーザー後
- 悪性疾患との鑑別:基底細胞癌・悪性黒色腫の除外要
- かさぶたの自己剥離:色素沈着の原因
- 新生病変の発生:別部位に新しいものができることも
費用相場
1個あたり3,000〜30,000円(サイズ・部位・治療法で変動)。複数個割引や顔全体のセット料金を設定するクリニックもあります。液体窒素は保険適応で1個1,000〜2,000円程度(3割負担)です。
治療を検討すべき人・経過観察でよい人
治療を検討すべき人:盛り上がるシミが目立つ/メイクで隠しきれない/衣服に擦れて気になる/急速に大きくなったり色調変化のある病変は早期受診を。
経過観察でよい場合:小さく目立たない/周囲との境界明瞭で長期的に変化なし/本人が気にならない場合は経過観察で構いません。
脂漏性角化症は良性ですが、悪性疾患との鑑別が先決です。皮膚科または美容皮膚科の経験豊富な医師のもとで診断と治療法(CO2レーザー・電気凝固・液体窒素)を相談したうえで判断することをおすすめします。