内臓脂肪
(ナイゾウシボウ)
Visceral Fat
腹腔内の内臓周囲に蓄積する脂肪で、皮下脂肪と区別される。生活習慣の影響を受けやすく、糖尿病・心血管疾患・脂肪肝などのメタボリックシンドロームに直結するため健康面で重要視される。
内臓脂肪とは
内臓脂肪は、腹腔内の内臓周囲(腸間膜・大網など)に蓄積する脂肪で、皮下脂肪と区別されます。一般的に「お腹周りがぽっこり出る」見た目を作る脂肪で、男性に多いタイプですが、女性も閉経後に増えやすくなります。
内臓脂肪は単なる「燃料貯蔵庫」ではなく、アディポカイン(脂肪細胞由来生理活性物質)を分泌する内分泌器官として働き、過剰だとインスリン抵抗性・全身性炎症を引き起こし、糖尿病・心血管疾患・脂肪肝・がんリスクを高めます。メタボリックシンドロームの中核概念です。
仕組み・特徴
皮下脂肪と比較して代謝が活発で、食事・運動・薬剤への反応性が高い特徴があります。「内臓脂肪は減らしやすく、皮下脂肪は減らしにくい」と言われる根拠で、ダイエット初期は内臓脂肪から減ることが多いです。
- 評価指標:腹囲(男性85cm以上・女性90cm以上が目安)、内臓脂肪面積(CTで100cm²以上)
- 分泌物質:アディポネクチン(善玉)、TNF-α・IL-6(悪玉)など
- 男女差:男性に多く、女性は閉経後に増加
- 反応性:食事・運動・薬剤で減らしやすい
- 関連疾患:糖尿病・脂質異常症・高血圧・脂肪肝・心血管疾患
美容医療での扱われ方
美容医療では内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満の判別が重要で、脂肪冷却や脂肪溶解注射はつまめる皮下脂肪が対象なため、内臓脂肪は適応外です。内臓脂肪減少には食事・運動・GLP-1ダイエットなどの内科的アプローチが必要となります。
近年は体組成計やお腹のCT検査で内臓脂肪面積を可視化し、減量目標を客観的に設定する流れが定着しています。男性のメタボ対策・女性の閉経後体型変化にも内臓脂肪マネジメントが鍵を握ります。
知っておきたいポイント
- 見た目より健康指標で評価:腹囲・内臓脂肪面積・血液検査
- 反応性が高く減らしやすい:減量初期から数値変化が出やすい
- 運動の効果が高い:有酸素運動と筋トレの併用が有効
- 食事の質が重要:糖質・脂質バランス、食物繊維
- 脂肪冷却・脂肪溶解は不適応:皮下脂肪のみ対象
- 女性は閉経後に急増:エストロゲン低下の影響
関連する施術・薬剤
- 食事・運動指導:基本療法、最も効果的
- 食欲抑制系:GLP-1ダイエット、サクセンダ、リベルサス
- 代謝改善系:メトホルミン、SGLT2阻害薬
- 脂肪吸収阻害:ゼニカル、防風通聖散
- 関連評価:腹囲計測、CT検査、体組成計(インボディ等)
- 関連疾患:肥満症、メタボリックシンドローム、脂肪肝、糖尿病
よくある質問
Q. 皮下脂肪と内臓脂肪、どちらを先に減らすべき?
A. 健康への影響を考えると内臓脂肪が優先です。幸い内臓脂肪は反応性が高く、減量初期から減りやすいため、食事・運動を整えるだけでも数値改善が期待できます。皮下脂肪は減らしにくく、医療施術(脂肪溶解・脂肪冷却)の選択肢が出てくる順番になります。
Q. 内臓脂肪を減らすベストな運動は?
A. 有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・水泳)が内臓脂肪減少に効果的とされ、週150分以上が目安です。さらに筋トレを併用すると基礎代謝が上がり、長期維持に有効です。食事の質改善(糖質・脂質バランス、食物繊維)と並走させるのが現実的です。
Q. 内臓脂肪面積はどう測る?
A. 最も正確なのは腹部CT検査(へその位置で1スライス、100cm²以上が内臓脂肪型肥満)。簡易的には体組成計(タニタ・オムロン等)でも推定値が出ます。腹囲計測(男性85cm・女性90cm以上)は最も手軽な指標で、メタボリックシンドロームの診断にも使われます。
関連知識として知っておきたい場面
内臓脂肪は健康と直結する重要な指標で、減らしやすい性質を持ちます。お腹周りが気になる場合や健康診断で指摘された場合は、内科・肥満外来の経験豊富な医師のもとで腹囲・体組成・血液検査による評価を受け、生活習慣改善を中心に取り組むことをおすすめします。