ウォーキングブリーチ
(ウォーキングブリーチ)
Walking Bleach / Internal Bleaching
神経を抜いた歯(失活歯)の内部に薬剤を入れて時間をかけて漂白する方式。一般的なホワイトニングが効かない失活歯の変色に対応する選択肢で、根管治療済みの歯が対象。
ウォーキングブリーチとは
ウォーキングブリーチは、神経を抜いた歯(失活歯)の変色を改善するために、歯の内部に漂白薬剤を入れて密封し、時間をかけて内側から漂白する方式です。一般的なホワイトニング(外部漂白)が効きにくい失活歯特有の変色に対応する選択肢として、審美歯科で広く用いられます。
失活歯の変色は、神経が壊死した際の血液成分(ヘモグロビン由来の鉄分)や根管治療時に使用された薬剤が象牙質に染み込むことが原因とされ、表面からの薬剤では届かないため、内部にアプローチする必要があります。根管治療が完了している歯が対象になります。
期待される効果
施術の流れ
初回は失活歯の状態確認とX線検査を行い、根管治療が適切に完了しているかチェック。歯の裏側に小さな穴を開けて歯髄腔にアクセスし、漂白薬剤(過酸化水素または過ホウ酸ナトリウム)を入れて仮蓋で密封します。1週間ごとに薬剤を入れ替え、3〜5回の通院で目標の色味に近づけたら、最終的に光重合レジンで穴を埋めて完了です。
施術後のケアと効果実感の目安
各回の薬剤交換間は仮蓋がしっかり閉じているか注意が必要です。仮蓋が外れると薬剤が漏れて効果が低下するため、硬いものを噛むのを控え、違和感があれば早めに歯科医院に連絡します。施術後の歯は脆くなりやすいため、強い咬合力をかけない配慮も重要です。
- 1〜2回目:ごく淡い色変化を実感
- 3回目:明確な色味改善が現れることが多い
- 4〜5回目:目標色味に到達、施術完了
- 1ヶ月:色味が安定
- 長期:数年〜半永続で再変色する可能性あり
リスク・副作用
- 歯根吸収(外部吸収):強い薬剤・長期使用で稀に発生
- 歯の脆弱化:失活歯はもともと脆く、施術でさらに弱くなることがある
- 効果不十分:変色原因や程度で結果に個人差
- 再変色:数年で徐々に戻ることがある
- 歯根破折:稀に発生し抜歯リスクも
- 仮蓋の脱落:薬剤漏出で効果低下
費用相場
1歯あたり1〜3万円が目安で、通院回数(3〜5回)と最終的な詰め物の素材で変動します。前歯の単独失活歯1本での費用は2〜4万円程度に収まることが多く、ラミネートベニアやセラミッククラウンより低侵襲・低コストの選択肢です。
料金にX線検査・薬剤・通院ごとの処置費・最終充填が含まれるか事前に確認しましょう。根管治療が不十分な場合は再根管治療が先に必要となり、追加費用がかかることもあります。
クリニック選びでは、根管治療の経験と漂白の症例数が両立しているクリニックを選ぶのが安心です。失活歯の状態次第では再根管治療が先に必要になるため、丁寧に診断してくれる医院を複数院で比較することをおすすめします。
ウォーキングブリーチが向いている人・向いていない人
向いている人:失活歯の変色が気になる/歯を削らずに対応したい/前歯の単独変色(外傷後など)/セラミックやラミネート前に低侵襲アプローチを試したい方。
向いていない人:根管治療が不適切で再治療が必要/歯根吸収の既往/既に大きな修復物が入っている/重度の歯周病が未治療/歯根破折のリスクが高い方。
ウォーキングブリーチは適応評価が結果と安全性の鍵です。根管治療と漂白の両方の経験がある経験豊富な歯科医師のもとで、X線評価と治療計画について丁寧にカウンセリングを受けたうえで判断してください。