脂肪溶解注射
(シボウヨウカイチュウシャ)

Fat Dissolving Injection / Lipolytic Injection

脂肪細胞そのものを破壊する薬剤を皮下に注射し、部分痩せを目指す施術。BNLS、カベリン、チゼル、メソシェイプなど薬剤の選択肢が多い。あご下・頬・お腹など気になる部位にピンポイントで対応可能。

脂肪溶解注射とは

脂肪溶解注射は、脂肪細胞を破壊・乳化する成分を含んだ薬剤を皮下脂肪に直接注射し、気になる部位の脂肪を減らす施術です。メソセラピーとも呼ばれ、もともとはヨーロッパで広まった脂肪減少療法が起源です。

あご下・頬・お腹・太もも・二の腕など、ダイエットでは落としにくい部分に対してピンポイントでアプローチできる点が大きな特徴です。脂肪吸引と比べてダウンタイムが短く、メスを使わないため気軽に受けられる一方、効果は穏やかで複数回の施術が必要になるのが一般的です。

作用機序

脂肪溶解注射に使われる薬剤の主成分は、製品によって異なりますが代表的なものは以下です。

  • デオキシコール酸:胆汁酸の一種で、脂肪細胞膜を破壊する作用
  • ホスファチジルコリン(PPC):脂肪を乳化し、代謝されやすくする
  • L-カルニチン:脂肪酸の代謝を促進
  • 植物由来成分(BNLS neoなど):腫れを抑えながら脂肪減少を促す

これらの薬剤を皮下脂肪層に注射すると、脂肪細胞の細胞膜が破壊され、内部の脂質が溶け出します。溶け出した脂質はリンパ管・血管を通じて代謝・排出され、結果として脂肪細胞の数自体が減少します。

ダイエットによる脂肪減少が「脂肪細胞のサイズが小さくなる」のに対し、脂肪溶解注射は「脂肪細胞の数を減らす」という点が異なります。破壊された脂肪細胞は再生しないため、リバウンドしにくいとされています。ただし、残った脂肪細胞が肥大することはあり得るため、生活習慣の維持は必要です。

代表的な薬剤

  • BNLS neo(ビーエヌエルエス・ネオ):植物由来成分中心で、腫れ・痛みが少ないのが特徴。あご下など顔の部分痩せで人気。
  • カベリン(KABELLINE):韓国製。デオキシコール酸ベースで、BNLSより効果が強いとされる。
  • チゼル(Chisel):韓国製。デオキシコール酸+PPC配合の高効果型。
  • メソシェイプ:ヨーロッパ製のメソセラピー薬剤。お腹・太もも向け。
  • FatX(ファットエックス):腫れ・痛みを抑えつつ脂肪減少を狙う製剤。
  • キベラ(Kybella):FDA認可のあご下脂肪治療薬(米国)。日本では未承認。

薬剤によって「効果の強さ」と「ダウンタイム」のバランスが異なります。BNLSは穏やかでダウンタイムが短く、カベリンやチゼルは効果が強い反面、腫れも出やすい傾向があります。

期待される効果

  • あご下・二重あごの引き締め
  • 頬・フェイスラインの小顔化
  • お腹・脇腹の部分痩せ
  • 太もも・ふくらはぎのサイズダウン
  • 二の腕の引き締め
  • 背中・ブラ周りの脂肪減少

効果は施術後2週間〜1ヶ月かけて徐々に現れることが一般的で、1回で劇的な変化を感じるよりも、2〜6回の継続施術で目に見える結果を目指すケースが多いです。脂肪の厚みや薬剤、個人の代謝によって必要回数は変わります。

脂肪吸引との違い

同じ「脂肪を減らす施術」でも、脂肪溶解注射と脂肪吸引は性質が大きく異なります。

  • 脂肪溶解注射:薬剤を注射/ダウンタイム短い/効果は穏やか/複数回必要/費用が比較的安い
  • 脂肪吸引:物理的に脂肪を吸引/ダウンタイム長い/効果が強く即時性あり/1回で完了/費用が高い

脂肪量が多い場合は脂肪吸引、ピンポイントで気になる部分だけなら脂肪溶解注射、と使い分けるのが一般的です。両方の選択肢を比較したうえで、自分のライフスタイルや希望に合った方を選ぶことが重要です。

リスク・副作用・ダウンタイム

  • 腫れ・むくみ:施術直後〜数日続く。薬剤によっては1〜2週間続くことも
  • 内出血:注射部位に発生、1〜2週間で吸収
  • 痛み:施術中の痛みと、施術後のジンジンとした違和感
  • 赤み・熱感:施術部位の炎症反応
  • しこり:脂肪が部分的に固まり、しこりとして残る場合
  • 皮膚の陥凹(へこみ):脂肪が均一に減らず、表面がでこぼこになる症例
  • アレルギー反応:薬剤成分に対する過敏症(大豆アレルギーなど)
  • 神経損傷:稀に注射部位の神経が傷つき、しびれや麻痺が発生

あご下に施術した場合、特にカベリンやチゼルは強めの腫れが出ることが知られており、施術後数日はマスクで隠す必要がある場合もあります。BNLSは比較的腫れが少ないため、ダウンタイムを取れない人に選ばれることが多い薬剤です。

費用相場と頻度

  • BNLS neo(顔1部位/1cc):3,000〜10,000円/cc
  • カベリン・チゼル(1本):1〜3万円
  • あご下1回(5〜10cc使用):2〜10万円
  • お腹・太もも(広範囲):3〜10万円/回

2〜4週間に1回のペースで、合計2〜6回の継続施術が目安です。多くのクリニックで回数券・コース料金が設定されており、まとめて契約すると単価が下がる傾向があります。

脂肪溶解注射が向いている人・向いていない人

向いている人:気になる部分にピンポイントで脂肪を減らしたい/脂肪吸引のような大きなダウンタイムは取れない/メスを使いたくない/継続的に通って徐々に変化を出したい

向いていない人:大幅な脂肪減少を希望する(脂肪吸引向き)/妊娠中・授乳中/心臓病・腎疾患などの基礎疾患がある/薬剤成分(大豆等)にアレルギーがある/皮膚のたるみが強い(脂肪を減らすとたるみが目立つ可能性)

薬剤の選択・本数・打つ層は仕上がりに大きく影響します。経験豊富な医師による事前カウンセリングで、自分の脂肪の状態と希望に合った薬剤・回数を相談することが重要です。

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